言語聴覚士/ST:Speech Therapistとは

言語聴覚士って何でしょう?

言語聴覚士という職業をご存知ですか?

Speech Therapistの略で「ST」と呼ばれることもあります。以下STと表記しますね。

名前を聞いて「言語」と「聴覚」に関係する仕事であることは想像できるかと思います。

それは決して誤りではありませんが、実はもう少し幅広い印象であり、ざっくり一言で言うと、“「言語」と「聴覚」に関係する全ての器官を対象とする仕事”と言えるのではないでしょうか。

仕事の内容 

話すこと、食べることへの支援

脳卒中後の言語障害(失語症、構音障害)や聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など、ことばによるコミュニケーションの問題は多岐にわたります。

言語聴覚士はこうした問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行う専門職です。さらに医師や歯科医師の指示のもと、嚥下訓練や人工内耳の調整なども行います。

STが働く場所は…

STが支援する対象は小児から高齢者までと幅広い為、働く場所も多岐に渡ります。

上記のような場所で、医師・歯科医師・看護師・理学療法士・作業療法士などの医療専門職、ケースワーカー・介護福祉士・介護支援専門員等の保健・福祉専門職、教師、心理専門職等と連携し、チームの一員として活動を行います。

成人・高齢者に対するリハビリと言うと、イメージが沸きやすいかも知れませんが、小児に関わる職場で働くSTも少なくありません。

例えば、小児の場合では、発達機能面の遅れやことばの遅れ、読み書きだけが難しいと言うような発達上の問題を抱える方に対して、発達検査を行い、日常生活・学校生活を送る上での提案を行なったりします。小児の場合は、ご家族への説明やサポートも非常に重要であり、密に連携をとってアプローチを進めていく必要があるようです。

ちなみに…
成人におけるリハビリテーションは、“もともと持っていた能力まで回復させる”という意味がありますが、小児の場合は、“新しく獲得して能力を伸ばしていく”という目的で訓練を行うことが多いです。そういった場合には、『リハビリテーション』ではなく、『ハビリテーション』という言い方をします。
リハビリ:re-habilitationの“re”は“再び”という意味なので、新しく能力を伸ばしていく場合には“re”は付けずにハビリテーションと呼びます。

資格所有者数について

1997年12月の国会で言語聴覚士法が制定され、1999年3月に第1回国家試験が実施されました。毎年1千5百名程度が言語聴覚士となり、有資格者数は、2021年3月には約3万6千人となっています。

STの実際 〜業務・患者さんとのこと〜(私の経験より)

私は、365日リハビリをやっている回復期リハビリテーション病院に勤務していました。患者さんの食事評価や食事介助を行ってから昼休憩になるので、食事介助をしながらよくお腹が鳴っていました。

私が勤務していた所は、主に成人が対象で、症状は失語症、高次脳機能障害、嚥下機能障害、構音障害が主でした。覚醒状態が不良で経管栄養の方も比較的多くいらっしゃいました。気管切開されている方もいらいっしゃいました。1日に8〜10名程度、多い時にはそれ以上の方のリハビリに回りました。私が入職した当時はカルテもまだ紙で、業務に関してもかなりハードでした。

紙カルテは記入するのに順番待ちも多く、なかなか終わらない…。

覚醒状態が不良な方は、血圧等のバイタルの確認を行いながら、誤嚥性肺炎のリスクを少しでも下げるためにまず口腔ケアから介入を開始していました。覚醒状態が悪い方って、口腔内が汚れやすいんです。痰が多い方は、痰の吸引も行いながらリハビリを行います。嚥下訓練に進む為には、覚醒状態の向上が不可欠です。STでもPT(理学療法士)やOT(作業療法士)のように離床を促すこともしていました。学生の時には起居・移乗といったものの介助について一切勉強しなかったので、就職してから先輩STやPT・OTに教えてもらい身に付けました。

またリハビリ以外にも、カルテ記載、訓練課題の準備、検査や評価のまとめ、面談・カンファレンスの準備、病院内での委員会業務やリハ科内の係の業務等、色々と業務がありました。

STは、訓練でプリントや検査道具を使用することも多いので、リハビリの間に1階のST室から2階か3階の病棟へダッシュ!(安全面に気をつけつつ)することも多くありました。

「STさんって、よく走ってるよね」とよく言われました。

患者さんとのことで言うと、STはPTやOTに比べて、患者さんのメンタル的な部分に触れることが多い職業だと思います。身体面のリハビリに比べて、患者さんと個室でリハビリすることが多いからだと思います。普段は笑顔で過ごされていても、個別でのリハビリ中に涙される方も多くいらっしゃいました。

突然の病気、後遺症。自分は今後どうなるのか。もとの生活に戻れるのか。

考えただけで泣きたくなりますよね。私はそんな時、隣に座って、ティッシュを渡して、良くなっている所を説明したりして、くらいしか出来なかったです。そんな時は、様子を伺いながら可能な範囲でリハビリを進めていました。

自身の現状に落ち込むと言うことは、患者さんがご自身の現状を理解できてきている証なので、回復に向かう為に非常に重要なステップです。そういった時は、リハビリスタッフだけではなく、病棟スタッフとも情報共有をして対応していました。

STは大変なこともありますが、「人」との繋がりを強く感じられるとても魅力的な職業だと私は思っています。私自身、患者さんから元気を分けてもらうことも多くありました。本当に感謝していますし、私はこの仕事が大好きです☆

まとめ

STは、話すことや、食べることに深く関わる職業です。

また、関わる年齢は小児から高齢者までと幅広く、活躍している場所もさまざまです。

資格保有者数は年々増えてきていますが、場所によってはまだまだ不足しているのが現状のようです。人と話すことが好きな人には向いている職業だと思います。

STとして資格を取り就職する場合には、自分がどの分野に関わりたいのか、何を専門として仕事をしたいのかをしっかりと検討する必要があります。

もし、この記事を読んでSTという職業に興味を持って頂けた方がいたらこちらへどうぞ!

ST協会の公式HP めざせST! ⇨ https://mezase-st.com/works/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA